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自閉症児Fくんと感覚統合

ここのところ、色々なところから刺激を受けて、久しぶりにFくんのことを書きたくなりました。

 

Fくんとは以前の園でわたしが、加配をしていた自閉症の男の子です。

※加配は発達障害などで、他児と同じように保育園の生活を送ることが難しいお子さんに配慮を加え、生活を支える役割を担います。

www.tayorako.com

 

わたしがFくんの加配になって、初めて知った『感覚統合』。

発達障害だけでなく、子育て中の困った…と感じる場面とつながっていることも多々ありますので、良かったらお付きあい下さい。

 

 

 

Fくんの保育に壁と限界を感じていたわたしに、救いの神のように現れた養護学校のT先生。

月に1度園に来て、アドバイスを下さいました。

先生のアドバイスによると、Fくんは

・皮膚からの情報を受け取るのが鈍い。

・ボディイメージをふくらますことが出来る遊びやトレーニングを出来る範囲で保育の中に取り入れるとよい。

とのことでした。

 

高度過ぎる‥‥( ̄∇ ̄;)

 

Fくんは自閉症特有の動き、くるくる回る、目の前で手をひらひらさせる、のほかに物や人に体当たりするという行動もよく見られました。

思いきりぶつかって痛くないのかな?って思っていました。

皮膚からの情報を受け取るのが鈍いことと関係しているの?

 

 

感覚統合に関する研修に参加させてもらったり、図書館で本を借りて読んだりして勉強しました。

もう…必死でした。

 

その当時のメモや記録を振り返りながら書きます。

自分で書いたメモが読めない~。

研修内容聞きながら書きなぐった汚い字&最近お疲れですぐに目が重くなる(´・ ・)

 

 

 

 

どうしてこんなに怖がりなの?

どうしてこんなに不器用なんだろう?

どうしてじっとしていられないの?

 

そんなふうに感じて子育てに、そして自分につまずいた経験ありませんか?

 

Fくんだけでなく、息子の希生もバランス感覚が悪く、小学生1年生までブランコがこげませんでした。

小学生になってもこげない?ヤバいよ~💦

 

どうして…と悩むことには必ず理由がある。

それは周囲以上に本人が困っていることかもしれない。

見方を変えることで変化するかもしれないということを学びました。

 

 

 

わたしたちにある視覚・聴覚・味覚・嗅覚・触覚の五感。

それ以外にも固有感覚(身体の動き・手足の感覚)、前庭感覚(体の傾き・スピードの感覚)などがあり、それらをキャッチして脳で処理しています。

それを統合というそう。

 

分かりやすい✨と思った例えです。

脳の中を交通整理に置き換えると…

 

信号機で車の流れを切り換えたり、歩道で人と車の流れを分けたりして安全を保っています。

もし、それが上手くいかないと渋滞をおこしたり、事故につながったりしますよね。

 

普段わたしたちは、脳の中の交通整理を何も考えずに自然に行っています。

通常なら生後3ヶ月以降、その機能が徐々に発達していくのですが、それが上手くいかないために渋滞や事故を起こしているんだそうです。

それがどんなふうに表れるのかというと…

 

【例】

触られることを嫌がる

歯ブラシ・洗顔が嫌い

くすぐりを全く感じない

回転するものに乗っていても目が回らない

逆に揺れやスピードのあるものを怖がる

椅子に座ると体勢が崩れる(同じ姿勢を保てない)

ベットリ・チクチクなどに過剰に反応する(触れない・過剰に触る)など

 

性格や躾の問題でなく、脳の神経回路の伝わり方の問題の場合もあるそうなのです。

 

 

脳の交通整理が出来るようになるとボディイメージの形成、運動面でのバランスなどが発達します。

そして、それらが土台となって言葉の発達や手先を含む細やかな動きが出来るようになります。

感覚とイメージが合わさることで学習や運動の成長へとつながるのです。

 

その子が持つ特性に気づき、不足している感覚情報を伝えていくことで脳の状態を改善させることが出来るそう。

感覚情報を補うために有効な遊びは、その子の苦手によって違うのですが、いくつか例をあげます。

 

・ボールプール、水泳

・ブランコやシーソー、ジャングルジム、うんてい

・トンネルくぐり(T先生が段ボールを使ってキャタピラー遊びが良いとおっしゃってました。自分の体のイメージ出来ないと前が見えない状況で進むことが難しいそう)

・不思議袋…袋にいくつかのおもちゃなどを入れておく。手を入れ、何が入っているかを当てる

・体の部位にシールを貼って、その場所を意識したり、当てたりする

 

障害があるないに関わらず、列で並んで体育座りしたときに前の子に足がぶつかってしまう子。

人との距離が分からず、ビックリするほど至近距離で話す人いませんか?

これらも、ボディイメージが足りないと起こることなのだそうです。

 

ブランコがこげなかった希生も、自分の身幅を間違えて机に当たり太ももやすねに青アザをよく作るわたしもボディイメージが足りていないと思われます‥‥( ̄∇ ̄)

 

 

希生のバランス感覚の悪さは、少しずつ改善されているものの今も残っています。

それが運動神経に関わっているのだなと感じています。

 

ある時期に、ちょっとした変化がありました。

 

小学1年生の夏休みの宿題に縄跳びが出て、(仕方なく)取り組んだのです。

最初はムリせず前跳び10回から。

褒めて続けて、時々?泣いたけど( ̄∇ ̄;)

毎日続けることで縄跳びの上達とともに、体の芯が出来ていくのが目に見えました。

 

療育にトランポリンが使われたりしますが、それと同じ効果かもしれません。

その後ブランコがこげるのを見たとき、感動した親バカです(遅すぎだけど)。

 

発達障害の療育にトランポリンが使われる理由は、足裏からの刺激・感覚が満たされ、集中力が出る。

体幹を意識することで姿勢が(しばらくの間)保たれる。

運動機能の改善や言語発達に効果が出ると考えられているそうです。

 

別の研修だったと思いますが、落ち着かない子を集中させたいときには、まずジャンプやブランコなどで刺激への欲求を発散させると同時に体の軸を脳に確認させる。

そうすると座って集中しやすいと聞いたことがあります。

 

背中に指で文字を書いて当てるゲームも希生とよくやりました。

これもボディイメージが出来ていないと当てられず、はじめは笑っちゃうくらいの大苦戦でしたが、少しずつ分かるようになっていきました。

  

『感覚統合』で検索されるとたくさんの情報が出てきます。

気になったら、自分にとって理解しやすいものや、お子さんに合いそうな方法を探してみるといいかもしれません。

ちなみにわたしが受けた研修の先生は木村順先生でした。著書に「育てにくい子にはわけがある」が有名な先生です。

 

 

 

お昼寝をしないFくんと、その時間を使ってボディイメージを持てるような遊びをいくつも試してみました。

大切なのは、楽しむ気持ちだそうです。

嫌がっていることを無理やり行っても、効果は出ません。

楽しみながら、ゆっくりと…

そのときのわたし、楽しんでいたかなぁ。必死だった気がするな。

 

一緒に取り組むことでスキンシップになります。

 

Fくんにとって、わたしが模索しながら行ったことが効果あったのかは、分かりません。

 

でも…変化はありました。

ギスギス・ガタボロだった関係から、愛着関係を築けるように。

こちらの言っていることをFくんが聞き入れたり、一緒に遊ぼうと誘ってくるようになりました。

「センセ」と呼んでくれるようにも(T_T)

 

それまでは危険なことへの制止などに反発して、体当たりしたり、つねったり、奇声をあげたりしていました。

だって癇癪で他の子つきとばすんですよ~💦

水はずーーーっと流しっぱなし。

わたしの手はつねられた跡だらけでした。

 

その回数が、激減したんです。

 

Fくんを理解しようと思ったわたしの気持ちを〝しかたねぇな〟と、Fくんが受けとめてくれたのだと思います。

 

 

 

 

保育園を卒園したFくんは、養護学校へ。

 

小学校に入って、最初に取り組んだことは食事・間食の与えかたについて、両親への指導だったらしいです。

 

欲しがるものを与えないとFくんがパニックになるので、負けてしまい食べ物を与えていたご両親。

 

Fくんの体はどんどん巨大化していました。

食事内容のバランスはかなり悪かったはず(ご飯・魚・肉のみ。お菓子とジュース大好き!)。

「このままでは病気になりますよ。いいんですか?」と学校の先生に言われ、奮起したそう。

 

保育園にはお菓子もジュースも置いてないので、お腹を満足させるために嫌いなものも口にするように(2年以上の歳月をかけて)なっていきました。

人間は生きるために、お腹がすけばある程度のものは食べます。

好きなもので満たされている間は偏食は直りません。ただ偏食の中には感覚統合の中の感覚過敏が原因の場合もあります。理由を知れば対処の方法が見つかるかもしれません。

 

 

食のセーブが出来るようになると、色々な面で落ち着いてきたそうです。

 

親が変われば、子は変わるんですよね。

わたしが変わって、Fくんが変わったように。

 

 

 

 

Fくんが小学校へ進学後に、会いに行ったことがあります。

公開授業のその日、Fくんがどんな様子で過ごしているのかが気になって見に行きました。

 

初めて見た養護学校の授業は、とても刺激的でした。

ギターを持った先生が曲を演奏しながら歌っていました。

教室内を歩くその先生の後ろを子どもたちがついて歩きながら、体を揺らして楽しそうに歌っていました。

 

歌は気をつけピをして、歌う気になっていたカチカチ頭のわたし。

 

Fくんが保育園にいたとき、同じ場所に長時間いられないことと向き合って格闘してきました。

なんだったんだろ。

 

楽しそう。

 

 

そこには相変わらず大きいながらも、少し体の引き締まったFくんがいました。 

教室からこぼれるようにそうっと見ていたわたしに、Fくんが気づき体の横に一瞬寄り添うとニヤッと笑ってからみんなのところへ戻って行きました。

  

なんだよ、先生

元気にやってるよ

心配するなよ

じゃあまたね

 

そんな感じでした。

元気なことが分かってホッとし、教室を出ました。

 

 

Fくん、今……中学生になっているのか。

あの時すでに小学生並みに大きな体だったので、わたしより大きくなっているのかな。

 

わたしにたくさんのことを教えてくれてありがとう。

 Fくんに出逢うまでのわたしは相当なダメダメ人間でした。

 

今もまだダメなところいっぱい。

今度はどうして?の理由を考えすぎてドツボにはまったり。

人生の修行は先が見えない。

 

……頑張るね。

 

いつまでもずっと、忘れないし応援してるよ😊