たよらこそだて

幼稚園教諭と保育士経験をそれぞれ10年以上。自閉症児やダウン症児の加配、息子の子育てから学んだあれこれを書きます。

【自閉症児保育】みんなと一緒の昼寝が出来ない!自閉症児の昼寝はどうする?

初めてみんなと一緒に布団を敷いた時のことをはっきり覚えています。
布団を見て、何だろうと不思議な顔をしたFくん。
「ねんねだよ。お布団にごろんしてね」

と伝えると、ニコッとして横になりました。

そしてすぐに起き上がって、布団の上でジャンプ。

同時に奇声も。

一瞬眠れるのかと思った…。

 

 

奇声を出してジャンプするFくん 

他の子の午睡の妨げになるからと、担任の先生の指示で他の教室に布団と共に移されました。
環境を次々に変えられてパニックになり、Fくんは部屋から出ようとして、体当たりで何度も扉にぶつかりました。激しい奇声も出ました。

わたしも園も自閉症児についての理解があったなら、そんな思いをさせなくてもよかった。

寝ることは諦めて、その部屋にいられることが最初の壁になりました。

 

昼寝は必要か不必要か

職員の中からは、Fくんを昼寝させなくても良いのではないかという声が出ました。
部屋で遊ぶと奇声が激しく他児の迷惑になるので、外で遊べば良いという意見に感じました。

その頃は発表会が近くて楽器が教室には置いてありました。触りたいFくん。「触れても大丈夫ですか?」と常勤の先生に聞くと、首を横に振られました。

室内で制限があるよりは戸外で伸び伸びと遊ぶ方が良いのではないかと考えて、午前中ずっと外で過ごしているFくん。もちろんわたしも一緒。

午後まで…?

一日中外で過ごすことは、3歳のFくんにとって体力的にどうなのだろう。

 

自閉症児の昼寝アドバイス 

そんなある日、T先生がいらっしゃいました。

午睡に関するアドバイスを頂くことが出来ました。

  • なるべく狭くて余計なもののない部屋を使用する
  • 2週間など期間を決めて、午睡時に奇声を上げても反応せず様子をみる
  • 布団に入った時間や奇声を上げた時間、その時の対応の記録を取り、経過を観察する

 
T先生は「昼寝が絶対に必要というわけではないけれど、Fくんにとって気持ちや体を休ませる時間=オフの時間を作ることが大切」とおっしゃいました。

寝ることにこだわらなくてもいいけれど、静まる時間を作れるよう努力してみることに。

 

昼寝チャレンジ開始

保健室を片づけて、Fくんの午睡部屋にしてもらいました。T先生のアドバイスがなかったら使わせてもらえなかったと思います。

小さな部屋があったことはラッキーでした。

まずは2週間、奇声とお付き合い。どんな奇声でも、笑顔のまま無反応。
顔が引きつる。

奇声には感情の表現、自分を注目してほしいアピールの2種類があるそうです。

感情の表現の場合はその感情を共有して、別の表現の方法を知らせていきます。

「よかったね。うれしいね」「いやだったね」など。

注目してほしい場合の奇声については、無反応でいること。
反応すると続きます。

 

泣きわめくことで気持ちを通そうとしている時の正しい対処とは

この方法は自閉症児に関わらず、どの子にも通じる方法です。

お店でお菓子やおもちゃが欲しいと泣いているお子さんを時々見かけます。

大声で怒鳴っているお父さんやお母さんもいれば、人目を気にして一生懸命に子どものご機嫌を取り繕っているお母さんも。
※その場で無反応をしようとすると周りの目が気になるという方は車に戻ったり、人のいない場所に移ったりしてもいいです。
恐い顔になりがちですけれど、大切なのは無反応です(難しいですよね、わたしも自分の子育てでは理性を失ったこと、何度もあります)。


子どもが落ち着いたら笑顔で話しかけます。
「泣きやんでえらかったね。どうして泣いちゃったの?」
「そう、〇〇がほしかったの」と気持ちを共有してから「〇〇(誕生日など)に買おうね」と伝えたり、買えない理由を静かに話すと良いと思います。


泣いている子どもに「家に帰ったらジュースあげるから」となだめている方を時々見かけますが、その場しのぎの言い訳や優しさは子どもに良い影響を与えますか?
毎日の関わりから、子どもは良し悪しを覚えて成長しています。

 

Fくんの変化

Fくんは1か月、2か月、半年…という長いスパンの中で、午睡の時間(=体を休める時間)について理解していきました。
前進したり、そうかと思えば奇声がひどくなったりしながら、少しずつ。

そして、一定の時間を静かに布団に上で過ごせるようになりました✨ 

「声を出すことで嫌なことからエスケープできるという間違った学習をしそうになっていたけれど、今は体を休める時間だということを理解しているね」

とT先生に言ってもらった時、涙がこぼれました。

感謝の気持ちでいっぱいでした。

 

他の子と同じでなくて良い

他の園児と同じ時間を休息の時間として過ごせなくてもいいのです。
一定の時間を静かに過ごせた後は、大好きなCDの機械を触ったり指先遊びをしたりして過ごしました。
そんな時間を過ごしているうちに、本当に寝てしまうことも…✨

とはいえ、そんな奇跡の日は数える程度で、昼寝の格闘は出会ってから卒園するまでの2年半ずっと続きました。

その時間はFくんにとってもわたしにとっても大切な時間だったのだと、今は感謝の気持ちでいっぱいです。 

 

 

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