たよらこそだて

幼稚園教諭と保育士経験をそれぞれ10年以上。自閉症児やダウン症児の加配、息子の子育てから学んだあれこれを書きます。

【189=イチハヤク】虐待から子どもの命と未来を守る

受けてきた研修の内容は新しい幼稚園教育要領のポイントやキーワード、また世界の教育動向などでした。

堅苦しい内容を、かたい椅子に座って聞く。

長時間座っていることに慣れていなくて、時間が過ぎるのが長く感じました。

堅い授業だけでなく、深い授業も受けることが出来ました。

メモしたいと思います。

 

続く虐待のニュース

今年に入ってから、虐待に関する事件を何度ニュースで目にしたでしょうか。

記憶に新しく強烈に残っているのは、目黒区の結愛ちゃん(5才)の事件。

「もうおねがい ゆるして」と書かれたノートが悲しすぎるし、耳を疑いました。 

今朝も躾と称して、女の子を水風呂に入れていたニュースが報道されていました。

体に傷をつけない為に水風呂に…心の傷はどんなに深かったでしょうか。

 

児童虐待の種類は大きく分けて4つ

  1.  身体的虐待叩く・殴る・蹴る・タバコの火などを押しつける・逆さづりにする

     これらに加えて寒い日暑い日などに戸外にしめだすなど、体に触れていなくても身体にダメージを与えるものも含まれます

  2. 性的虐待…こちらも身体に触れてはいない、被写体にするなどの行為も含まれます
  3. ネグレクト…適切な衣食住の世話をせず放置・病気であるのに医師に見せない・乳幼児を家や車の中に放置して外出する・同居人や家に出入りする第3者による虐待を放置する
  4. 心理的虐待…無視・拒否的態度・罵声・脅迫・兄弟間の差別的扱い・DVを見せる・兄弟への虐待を見せるなど

昔は留守番は当たり前だったし、車の中で待つことも問題ではありませんでした。

いくつもの事件を経て、時代の流れとともに変わってきています(アンダーライン部分)。再度ご確認ください。 

講義の前半は虐待の定義や児童相談所相談件数の変化、虐待と少年凶悪事件との関係などについて話を聞きました。

 

大村椿の森学園と鳥羽瀬さん

中半は、長崎県大村市にある「大村椿の森学園」で暮らす子どもたちについてでした。

アオイさん(17歳)という女の子と、それを支える職員の鳥羽瀬さんとの記録についての映像を見ながら、時折映像を止めてポイントとなる良い関わり方。

こうした方がよかったのでは…という部分。

アオイさんの心の変化や成長している部分などについて話を聞きました。

※映像は2010年にNHKで放送された「うちは、一人じゃない」という番組です。

アオイさんは両親からの身体的虐待で施設に入所しました。

安全のために施設に引き取られたのですが、親から見捨てられたと感じています。

保護という行為が見捨てられた体験になってしまうという皮肉なスタート。

彼女ははじめ、完全に心を閉ざしたそうです。

 

それを温かく見守り支えたのが、職員の鳥羽瀬さんというかたです。

少しずつ心を許していきますが、高校で頑張っている分のストレスを甘えられる鳥羽瀬さんにぶつけて暴力的になってしまうことが多々起こります。

「あんたに何が分かる⁉」といら立ち大きな声で怒鳴るアオイさんに、鳥羽瀬さんは落ち着いた態度で声のトーンも変えずに、そして諦めずに接していきます。

 

心が荒れてどうしようもないときには、少し距離をとって見守ります。

それをタイムアウトと言います。

落ち着くための一人の時間と空間。

落ち着いたころを見計らって声を掛ける。

友だち関係で躓き、登校拒否になったときにも無理に行かせようとはしません。

高校に保健室登校を許可してもらえるように働きかけをしたり、気分転換に散歩に誘ったりします。

 

散歩へ出掛けたときの鳥羽瀬さんとアオイさん。

親だったら、学校について話してしまいそうですよね。

「そろそろ学校に行ってみない?」とか「どうしようと思ってるの?」とか。

横並びに座って同じものを食べながらこの行為がすでに効果があるそうです)

目の前を通り過ぎた子どもたちを見て「子どもは何人欲しい?」と聞きます。

「2人かな」というアオイさん。

そこで「じゃあ、2人も育てるなら、高校卒業しておかなきゃね」とは言いません。

それは、自分で気づいたり、答えを出したりした方が良いからなのだそう。

何かに躓いているときには、そのちょっと先にあることについて視線が向けられるようにすることがポイントだそうです。

アオイさんの場合は高校卒業や進学の悩みだったので、その先にあるであろう結婚や出産なのですね。

動画の内容について載っている記事を貼っておきます。

興味のある方は読んでみてください。

仕事でも育児でも、子どもが泣いたりわめいたりしているときに言葉でかぶせても伝わりません。

子どものわめきに負けないように大きな声も出しがちですが、それも逆効果になることのほうが多いです。 

鳥羽瀬さんから学んだこと

  • 子どもと向き合うとき、伝えたいときには冷静を保つ。
  • タイミングを見て話す。
  • 答えはこちらからではなく、子どもが自ら出せるような言葉がけをする。

講師の先生は子どものキーキーに巻き込まれてはいけないとおっしゃっていました。

ついつい感情的になって、巻き込まれそうになりますものね。

覚えておきたいと思いました。

 

以前の園で、昨日まで一緒に過ごしていた子が児童相談所に引き取られた…という経験があります。

それを知ったときの衝撃は、言葉では表せません。

同僚皆で静かに泣きました。

実質上のシングルマザーだったその子たち(姉弟でした)の母は夜の仕事をしていました。

その姉弟は2歳と4歳。

その子たち、園での食事は異常な食欲でした。

泣き声がひどくて近所のかたから何度か児童相談所への通報があり、最終的には家の周りを徘徊して保護になったと聞きました。 

母を探していたのでしょうね…。 

 

悲しみの連鎖を生まないために

虐待のニュースを見ていて腑に落ちないことがあります。

子どもを保護する保護しないに時間がかかりすぎることに焦点が当たっていますが、子どもの気持ちについて想像されないことです。 

アオイさんが保護されて「自分は親から捨てられた」と感じました。

講師の先生もおっしゃっていましたが、虐待を受けた子のほとんどが、それでも親が好きなんです。

愛されたいと思っている。 

親というのは他の存在に代わるものではありません。

縁を切らせればいいというわけではないのです。 

金銭面や人員面で、複雑な問題があることは重々承知しています。

でも、親子一緒に保護して欲しい。

そして子どもの保護とともに親側の心もケアして一緒に過ごせるようにしてあげたい。

 

子どもを産み育てるということがどんなに大変で、素晴らしいことなのかを、学校で学べるような時間を設けてほしいです。

自分がどう育ってきたのかを振り返ることが出来ると、さらに良いと思います。

今の自分がどうして出来上がったのかを知ることは、子育てをする上で重要な気がしています。

特に親からの虐待やそれに準ずる経験がある場合、子どもを育てるときにハードルになる可能性があるからです。

わたしも虐待とまではいかなくても、親によく手をあげられました。

無視をされました。

中学からはお弁当を作ってもらえませんでした。

息子が小さいときに、親と同じように手をあげそうになる自分がいて怖いと感じました。

同じことはしない、と必死でした。 

ブログを書き始めたことで、親との関係を整理することが出来ましたが、もっと早くに自分を見つめることが出来ていたら……と思うのです。

 

子育て支援は誰のためのもの?

子育て支援、子育て支援とあちこちで言われています。

わたしがいつも思うこと。

子育て支援って誰のためなの?

親のため?

国のため?

本当に子どものためなの?

子どもが求めているものってなに?

政治のためじゃない。

親の都合のためだけじゃない。

子どもの本当の意味での幸せについてもっと深く考えなければ、子どもの数は少しばっかり増えたって、未来は明るくなりません。

 

虐待を疑ったら189番 

110番も119番もご存知ですよね。

189番はご存じですか?

児童相談所全国共通ダイアルです。

虐待の実態がつかめなければ電話できないと思っているかたも多いそうですが、虐待の可能性があれば電話していいそうです。

イチハヤクと覚えて下さい。

どうか、子どもたちの笑顔溢れる未来でありますように!

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