たよらこそだて

幼稚園教諭と保育士経験をそれぞれ10年以上。自閉症児やダウン症児の加配、息子の子育てから学んだあれこれを書きます。

子育てはずっとワンオペだった。夫が子育てに参加出来なかった理由の糸口を発見する。

高校2年生の希生けい(息子)はこの夏、何校ものオープンキャンパスへ行きました。

高校選びのときには二人三脚だったな。

大学選びを楽しむ姿に成長を感じて、眩しい。

大学のパンフレットを取り寄せ、自分の受けたい授業がどれくらいあるのかをチェック。どんな教授がいるのか、その教授が出版している本もチェック。オタク全開で分析しています。

  

オープンキャンパス、親も一緒に行く?

昨年は合同進学ガイダンスに、友だちと行きました。今年のオープンキャンパスも友だちとも行きました。

希望している学部が違うと、学部説明や模擬授業を受けるときには付き合ったり付き合わせたりすることになる(模擬授業はランダムの時間割)。

「〇〇大学と✖✖大学は一人で行こうかな」と言う希生に「もしも一緒に行ってほしいなぁと思ったときは声をかけてね。行けるかどうかは分からないけれど、都合が合えば行くよ」と伝えました。

すると「出来たらでいいけれど、来てもらえると嬉しい」と言いました。

見て体験して感じたことを共有出来ることは価値があると思っています。大きな選択を前に、一人で感じて決定するって難しいものよ。

 

〇〇大学と✖✖大学のオープンキャンパスは日にちが連続していました。

喘息の発作が長引いていて本調子ではなかったし、苦手な電車に連続で乗るのは厳しいかな。

どうしようか迷いながら夫に声を掛けました。

「〇〇大学のオープンキャンパスがあるんだけど……」

夫の顔が一気に険しくなりました。

「知らない。聞いていない。そんな寸前に言われてもやろうと思っていたことがあるんだ。どうしてもって言うならたよらこではなく、希生がお願いしますって頭を下げて頼むことだろう」

家族の空気がピーンとなりました。
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子育てはずっとワンオペだった

希生が幼い頃、夫の仕事は忙しく一人で育児と向き合っていました。

忙しさのピークを抜けても、夫のペースは変わらなかった。子育てよりも自分のやりたいことの方が優先。

お願いしたことはやってくれることの方が多かったけれど、義務として。

自ら子育てに参加することはありませんでした。

空気がピーンとなったときに、その時の痛みを思い出していました。

あぁ、あのときもあのときも、こんな残念さを感じていた。そして頼まなければ良かったと後悔する。後悔したくないから、ワンオペが進む。

もう少しで子育てが終了なのに、残念さを抱えたまま終わるんだ…と思いました。

「僕は出来たら来てほしいと言っただけ。一人で行く」と希生が言いました。

 

感情のぶつけ合いは平行線

希生がお風呂に入っている間に、話し合いました。

わたしは冷静さを失っていて、受容という言葉は吹き飛んでいました。

「行ってと言ったわけではないよね?行けるかどうか聞いただけだよ」

「希生に頭を下げさせる意味はなに?そんなこと強要されて一緒に行きたいって思うかな」

夫を責めました。

「俺にだって都合があるんだ。急に言われても困る」

「お願いされれば行ってもいいけれど、自分の口で言わない頭を下げないなら行く意味はない」

平行線が続きます。

「俺はそんなこと親に頼んだことはなかった」

「自分で何でもやってきた」

「希生は甘え過ぎなんだ」

次々に出てくるいつものセリフ。

はいはい、お母さん忙しかったもんね。だから自分でやるしかなかったんでしょう?

自分がやってきたことを希生にそのまま望む理由はなに?

あなたと希生は違うんだよ?

口にしようとしたとき……。

 

夫の言葉の裏に隠れていたもの

「俺はそんなこと親に頼んだことはなかった」

俺はそんなこと、親に頼めなかった!

「自分で何でもやってきた」

自分で何でもやるしかなかったんだ!

「希生は甘え過ぎなんだ」

俺だってもっと甘えたかったんだ。

険しい顔で怒っている夫の後ろに、もう一人の夫が見えました。

必死に訴えていました。

 

義母は忙しくても、夫に向き合っていた。分かりやすい愛情で包んでいた。そう感じて、わたしは羨ましいと思っていた。夫の中に眠る感情には気づかずに。

 

夫の気持ちに共感する

「そうだよね、お母さん忙しかったもんね」

「一人で何でもやるの、大変だったね」

わたしの言葉に怒りが消えると、夫の言葉にも怒りが消えました。

「いや、それは当たり前のことだから大したことじゃない」

夫が義母を守っている、と感じました。

今までも子ども時代の苦労話は聞いていたけれど、義母を責めることは一度もありませんでした。

義母の痛みや苦労を理解していた夫。

自分がしっかりしなくては、自分で何とかしなければ…って思っていたんだよね。

「当たり前のことなんかじゃない。すごいことだよ」

「寂しかったよね」

夫がいつもの優しい目に戻りました。

「オープンキャンパスは行かなくていいよ。でも、わたしは✖✖大学のオープンキャンパスは行くつもりだよ。もう少しで子育てが終わる。一緒に何かを見つける最後のチャンスだと思っているから。わたしが行きたいんだ」

と伝えました。

 

共感の魔法

話し終えて気づけたことがありました。

夫が子育てに参加してくれたのは、わたしへの思いやりだったということです。

今回も断れば済むことを「頭を下げてお願いされれば…」と言った背景に、わたしの体調を心配していてくれたことが分かりました。

わたしのために動いてくれていた。

そう……父親としては不満ばかりだけれど、夫としてはいつもわたしを支えてくれていました。

わたしの中に「子育ては夫婦で協力するべき」があった。「子育ては楽しむべき」も。

 

夫の気持ちに共感して、話終えてから不思議なことが起きました。

わたしがお風呂に入っている間に、夫と希生が話し合っていました。

夫は「どうして〇〇大学のオープンキャンパスへ行きたいと思ったんだ?」と希生に聞いたそうです。理由を話すと「そういう理由があるのなら、一緒に行く。さっきはごめんな」と言ったそう。

 

そしてオープンキャンパスに行った日、帰宅した夫が言った言葉です。

「あ~今日は面白かった」

一緒に子育てしてきて、初めて聞いた言葉でした。

希生のために動いたことで、楽しい、面白いと心から感じた、夫にとって初めての経験だったかもしれません。

 

まとめ

夫の中に、蓋をして眠る感情がある。

蓋の存在にやっと気づくことが出来ました。

まだわたしには開ける自信がありません。

聡子先生~!夫の蓋どうやって開けたらいいですかぁ💦 

自分の蓋も開けきれていないのに、家族の蓋の場所を次々に見つけてパニックになっています~!

 

 

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